福岡高等裁判所 事件番号不詳 決定
主文
本件上告を棄却する。
理由
職権によつて記録を調査すると原審弁護人江川甚一郞名義の上告趣意書と題する書面が本件上告趣意書差出期間内の昭和二十四年三月二十四日当裁判所に差出されたが、被告人から同人を当審に於ける弁護人に選任する旨の書面は本件上告趣意書差出期間の最終日である同年三月三十日の後たる同年四月二日に至つて差出されたことが明かである。
上告趣意書を差出すべき法定の期間を経過した後に差出された弁護人選任届によつては、その以前に差出された同弁護人名義の上告趣意書を追完してその差出を有効とすることはできないものと解するのを相当とする。
そこで結局本件に於ては上告趣意書を差出すべき法定の期間内に上告趣意書が差出されなかつたことに帰着するので刑事訴訟法施行法第二条大正十一年法律第七十五号刑事訴訟法第四百二十七条に則つて主文の通り決定する。(昭和二四年四月二八日福岡高等裁判所)